レビュー

破壊的イノベーションを起こすアメリカのビッグ・テックには、それぞれアイコンとなる創業者がいる。アップルのスティーブ・ジョブズ、フェイスブック(現在の社名はメタ・プラットフォームズ)のマーク・ザッカーバーグ、そしてアマゾンのジェフ・ベゾスだ。


アマゾンは、ベゾスの類まれなるアントレプレナーシップによって成長を続けてきた企業だ。アマゾン・プライム、アマゾン・ウェブ・サービス、アレクサ、エコー、アマゾン・ゴーなど、さまざまな事業が立ち上がっては、成功してきた。
そんなベゾスは2021年にCEO退任を発表した。今後、アマゾンはどのように歩みを進めていくのだろうか。本書を読む限りではおそらく、アマゾンの繁栄はまだまだ続くだろう。なぜならアマゾンには、イノベーションを起こし続ける仕組みが強固に確立されているからだ。
本書では、約6年間アマゾンジャパンに在籍し、新規事業の立ち上げに従事していた著者の視点から「アマゾンがイノベーションを起こすメカニズム」が体系的にまとめられている。このメカニズムは、日本の企業においても十分応用可能だという。「社内から独創的なアイデアが出てこない」と悩む経営層から、「新規事業のアイデアを上層部に提案しても、なかなか実現できない」というマネージャー層、さらには「社内は閉塞的で、イノベーションなんてもってのほか」と感じる若手社員まで、イノベーションに課題意識を持つすべてのビジネスパーソンに役立つ一冊だ。

本書の要点

・アマゾンでイノベーションが生まれる理由は、「ベンチャー起業家の環境×大企業のスケール−大企業の落とし穴=最高のイノベーション創出環境」という方程式で表現できる。
・アマゾンでは徹底的に顧客起点で考える。そのツールとして用いられるのは、「PR/FAQ」と呼ばれる企画書フォーマットだ。

このフォーマットを使うことで、どんどんアイデアが出され、顧客視点で徹底的に検討される。
・アマゾンには、大企業にありがちな問題を防ぐ仕組み・プラクティスがある。社内カニバリゼーションを推奨しているのも、そのひとつである。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ