レビュー
FIREというワードをご存知だろうか。Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったもので、「経済的自立と早期退職」を意味する。
FIREを達成後の生活費は投資によって築いた資産とその運用益で賄う。FIREは新しい働き方の1つという見方もあるが、「新しい生き方」の1つとも言える。ただ、完全FIREを達成しようとすると、多額の運用資金を捻出するために、高収入と厳しい倹約が必要になる。達成は容易でない。そこで、もう少し「ゆるく」FIREを実践しようというのが、本書のテーマ「ゆるFIRE」だ。
ゆるFIREは、達成後の収入源を運用益だけでなく好きな仕事からも得ることによって、比較的簡単にセミリタイアを達成する。完全FIREでは投資元本の4%を取り崩していくことで資産を減らさずに生活していくが、ゆるFIREでの取り崩し率は2.5%。不足分はフルタイムではない「ゆるい」仕事でまったり稼ぐ。運用資金を作るための貯蓄率も年収に対して50%として、あくまで無理をせず、必要なものを我慢せず、生活を便利にするものにはためらわずお金を使うスタイルだ。
「マジ」なFIREを実践するのは敷居が高いが、ゆるく目指せるのならばやってみたい。しんどい仕事は辞めたいが、好きな仕事ならやりたい。
本書の要点
・ゆるFIREの貯蓄目標は年収の50%。極端な節約生活を送るのではなく、人よりちょっと努力して稼ぎ、ちょっと努力して節約する。
・ゆるFIRE資金を稼ぐ基本は本業だ。社会保障や福利厚生を考えると本業に勝るものはなく、そこに副業でちょっとプラスして稼ぐ力を上げる。
・無駄を省き、合理的に機能的に生活するミニマルライフはゆるFIREと相性が良い。必要なモノは買い、不要なものは元から断つ。自分にとって何が合理的か考えよう。
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