レビュー

この30年ほどの間に私たちの仕事、そして日々の生活環境は劇的に変わった。スマートフォン・ネット起点の新ビジネス、キャッシュレス決済など、これらの変化がもたらした恩恵は図り知れない。


一方、我々の精神はこの急激な変化に対応できているのだろうか。「オフタイムでもSNSで会社の人とつながっちゃって、気が休まらない」「SDGs、ESG投資、エシカル消費……いいことかもしれないけれど、“なんかうさん臭い”と思うのは自分だけ?」「先が読めない時代、子どもの将来が不安……どう考えればいいのかな」。
本書はそうした悩みを抱える20~40代のビジネスパーソンが集い、仕事や社会、自分のあり方について語り合い、モヤモヤを解決していくフィクションの構成だ。“経済学の父”、アダム・スミスをはじめ、マルクス、ケインズ、シュンペーター、ハイエクといった歴史上の偉人たちと対話し、知恵を借りながら、答えやヒントに近づいていく。
時空を超えて登場する碩学らは、それぞれが生きた時代背景と共に彼らの熱い理念を解説してくれる。彼らの語る経済を軸とした歴史を知ることで、資本主義の社会形態の変遷と、そこに内在する人々の精神を追うことができるだろう。歴史上欠かせない泰斗の思い、偉業を通じ、現代を生きる活力が湧き、「働くって何ですか?」のヒントが見つかるはずだ。

本書の要点

・現代社会には仕事に対する不満・違和感、無意味で空疎な労働が増え続けている。激しい企業間競争に伴う過度な分業が「第三次産業主体」の仕事にまで及んでいるためだ。
・グローバル化したネット社会の現代は、虚栄心の競争が過剰に強まっている。
・デジタル技術によって駆動するポスト産業資本主義では、創造力の追求が人々の義務だ。



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