レビュー

著者は、「スタートアップと新規事業こそが、次の世界を作る」という。2027年をめどにスタートアップへの投資額を10兆円規模に増やし、将来的にユニコーンを100社、スタートアップを10万社創設するという「スタートアップ育成5か年計画」が政府によって策定された。

しかし、成功するスタートアップはわずか1%前後という現実の中で、起業家を支えるメンターとして「起業参謀」の必要性が高まっている。
著者は、日米で合わせて5社を起業し、2014年から数年間シリコンバレーのベンチャーキャピタルのパートナーを務めるなど、数多くのスタートアップに関わってきた。『起業の科学』『起業大全』といった“起業”に関する書籍を数多く執筆し、新規事業やスタートアップを「起業参謀」としてサポートする会社を経営している。そうした起業の専門家の手により、スタートアップの肝となる「起業参謀」が起業家に付加価値を与え、支えていくプロセスとノウハウを解説したのが本書だ。600頁近いボリュームで体系的・専門的な内容も多いが、図解も豊富で読み手に伝わりやすいよう工夫されている。
MBA修了生や中小企業診断士などのステップを踏んでいるが現場での知見を広げたい人はもちろん、起業家・経営層を志す人や、新規事業に関わっているビジネスパーソンなど、幅広い社会人におすすめしたい一冊だ。

本書の要点

・優秀なスタートアップには、それを支える起業参謀が存在する。起業参謀は、起業家の視座を拡大/整理してアドバイス/メンタリングを行う。
・起業参謀として活躍するためには、市場を見極める「鳥の眼」、顧客心理を捉える「虫の眼」、勝ち続ける仕組みを作る「魚の眼」、メタ認知力を高める「医者の眼」、行動量を引き出す「人(伴走者)の眼」が求められる。
・起業参謀に必要な5つのケイパビリティ(能力)は、①他者貢献意識などのマインド、②全体俯瞰力、③地頭力、④対人力/アウトプット力、⑤戦略的学習力である。



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