レビュー

「これは自分のやりたかった仕事じゃない」。モチベーションが高いとは決していえないような心況で今日も業務を始めようとするあなたに、ぜひ本書をお勧めしたい。


与えられた仕事のすべてがやりたい内容である人などいないだろう。だが、どんな職場にも「やりたくないけど必要な仕事」はあるし、自身のキャリアにとっても超えるべき壁はある。何より「では、やりたい仕事を得るために能動的に動いているか?」と問われたとき、自信をもって「Yes」と答えられる人は少ないように思える。
本書の著者・千林紀子氏は、アサヒグループホールディングス傘下にあるアサヒバイオサイクル株式会社の代表であり、アサヒグループ初の女性社長だ。著者が新卒で入社した当時は今よりも女性の社会進出に対する風当たりが強かった。だが、新入社員時代に上司から教わった「顧客や部下、組織を『自分ごと』として考えて行動する」ことを実践し、一歩ずつ着実に実績を残していった。
本書は、そんな著者が半生をかけて経験してきた困難と成功を綴った一冊だ。要約者が特に感情移入できたのは、望まない職務への異動辞令を受けた際のエピソードだ。一度は絶望の淵に追いやられるも、すぐさま気持ちを切り替えて与えられた職務を完璧にこなし、それ以上の仕事を自ら勝ち取る姿勢には感服させられた。通読すれば、自らの仕事の意義を再認識するきっかけになるだろう。

本書の要点

・「大卒女性の大量採用」の一期生としてアサヒビールに入社した著者は、入社後すぐに大阪支社へ配属される。最初の直属の上司は、公私なく若手を熱心に指導する人であった。

著者は上司から、仕事を「自分ごと」として取り組むことの大切さを学ぶ。
・やりたい仕事をするには「自ら能動的に動く」しかない。普段から組織の課題やミッションにアンテナを張り、やりたい仕事を提案する準備をしておくことが大切だ。
・ヒットする商品やサービスを生み出すには、「自分ならどうするか?」という「自分ごと化」視点が欠かせない。



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