レビュー
文章術の本は数多く存在する。それだけ多くの人が文章の書き方に悩んでいるということだろう。
本書『〈新版〉日本語の作文技術』は、シリーズ累計100万部を突破した文章術のロングセラーであり、定番中の定番本である。本書に特徴的なのは、文章技術向上のための、極めて具体的な判断基準を提示していることだ。誤読を少なくするための修飾語の語順のルールも極めて明快だ。その1つは、「長いものを前」にすることだ。ここまで簡単なルールであれば、文才がなくてもすぐに真似することができる。たったこれだけで文章はわかりやすくなる。
句読点の打ち方や助詞の使い方など、多くの人が「なんとなく」ですませてしまっている文法事項に対しても、具体的なルールを提示していく。本書を一冊読み通すだけで、作文技術の何たるかを理解し、実践することができるようになるだろう。
本書の要点
・本書が扱う「実用的」な文章のための作文技術の目的は、「読む側にとってわかりやすい文章を書くこと」である。「わかりやすい文章」を書くことは技術であり、誰でも学習可能である。
・わかりやすい文章を書くために最初に押さえておきたいのは、修飾語の語順に関する4つの原則である。
・日本語において、助詞は文章全体の構造を支配する役割を持つ重要な品詞である。西欧文法にならって「主語」と規定される「~ハ」は、他の格と同等の格と見なしたほうがすわりがいい。
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