レビュー

自分のなかに怒りがわき上がってきたら、そこには必ず原因がある。それは相手に対する怒りかもしれないし、何らかの出来事によるものかもしれない。

もしかしたら、自分に対する怒りの可能性もある。日々の生活のなかで、怒りを感じるのは人として当たり前のことだ。しかしその怒りの取り扱い方を間違えると、人間関係にひびが入ったり信頼関係が崩れたりするなど、取り返しのつかない事態に陥るかもしれない。
本書は、後悔しないために怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」の指南書だ。著者は、日本アンガーマネジメント協会理事である戸田久実氏。これまでアンガーマネジメントに関する多くの書籍を執筆し、中国や台湾など海外でも翻訳出版されている。
本書では怒りに関するよくある悩みやシチュエーションとその対策をテンポよく紹介する。「感謝が足りない相手にイライラしてしまう」「同じ文句を繰り返す友人の話を聴くのにうんざり」など、目次から怒りの原因に合わせて対応策を探すことも可能だ。また、初級・中級・上級に分かれているため、ステップアップして「怒りの扱い方」を学ぶことができる。
繰り返し本書で述べられているのが、イライラや怒りを感じることはごく当たり前の感情であることだ。大事なのは、その怒りとのつき合い方である。怒りを感じたらそれを抑えるのではなく、コントロールする。
怒りで後悔しないためにも、まずは本書を手に取ることをおすすめしたい。

本書の要点

・怒りは自然な感情で、怒ること自体は悪いことではない。「怒ること」「怒る必要がないこと」を区別し、怒りを適切にコントロールすることが大切だ。
・怒りが生じたら、まずは6秒をやり過ごそう。そうすることで理性が働き、衝動的な行動は抑えられる。
・過去の許せない出来事には、「ミラクルデイエクササイズ」が有効だ。怒りの問題がすべて解決した日をイメージすることで自分が目指すべきものがわかり、気持ちも上向きになる。



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