レビュー

世界には、日本とは異なるさまざまな常識が存在する。本書は、世界80カ国を訪れた谷口たかひさ氏が世界の多様な「スタンダード」を紹介する一冊だ。

著者は、多様な職業経験を経た上で社会課題の解決を志し、ドイツへと移住して起業した。世界の「常識」をよく知る人物のひとりといえるだろう。
そんな著者自身の豊富な経験と知識が、ぎゅっと詰まっているのが本書の魅力だ。お金、仕事、教育、子育てなど、多彩な分野における「シン常識」が紹介されており、日本ではあまり知られていない情報が盛りだくさんである。
外国人の観光客や労働者が日本にどんどん流入しており、異文化はより一層国内へと入ってきている。日本古来の文化を継承することは当然大事だが、同時に、世界の潮流を上手に読みながら新しい日本文化を創っていくことも重要だ。他国のいいところをとり入れながら、日本のよさを活かしていく。そのためには、まず日本と諸外国との違い、そこから見えてくる日本の特徴を知ることだ。本書はそのための第一歩にふさわしい本であり、日本の常識や固定観念の殻を脱ぎさるきっかけとなるだろう。
世界の多様な価値観や生活様式を学びたい方、自分のライフスタイルを見直したい方という積極的な人はもちろん、常識に対してもやもやとした気持ちを抱いたことがある人にぜひ一読をおすすめしたい。

本書の要点

・日本では点数による成績評価が主流で、勉強嫌いを生む一因となっており、海外では得意分野をさらに伸ばす加点方式の考え方が根付いている。
・スウェーデンの小学校では、ルールや常識は変えるものと教えられる。

社会を変えるためには、個人が行動を起こすことが重要である。
・生まれ方と死に方は選べないが、どのように生きるかは選べる。覚悟を決めて自分にできることを淡々とやることが大切である。



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