レビュー
「○○になれたら、人生はもっと楽しくなる」「○○が手に入ったら、もっと幸せになれる」――。未来の幸せを目指して、自分を高めようとがんばっている人は多いだろう。
たしかに目標があるのはいいことだ。だが、著者で書道家の武田双雲氏は、何かを目指すことは「今の自分はそれに達していない」「足りていない」と自分へのマイナス評価につながると指摘する。理想の未来を思い描き、それに向かって邁進する「未来志向」。現代人が不安になりやすいのは、「未来志向」に一因があるのではないだろうか。
著者はそんな「未来志向」に一石を投じ、「今を生きる」ことの大切さを説く。「いつか」ではなく「今」幸せになって、つねに「いい気分」「いい機嫌」でいること。そうすることで、人生は幸せに満ちていくという。本書では未来志向を手放して、不安な状態から脱するためのコツを軽いタッチで紹介していく。
本書は、著者と友人の編集者「ひつじ」との対話形式で進められる。ひつじは「いつも自由で幸せそうな双雲さん」にさまざまな質問を投げかける。著者の答えは自由闊達でスケールが大きく、私たちの想像を超える「宇宙レベル」のスケールだ。はじめは面食らっていたひつじだが、次第に著者の言葉を咀嚼して腹に落とし込んでいく。
本書の要点
・「未来志向」が強い現代は、現在より未来のほうが上だと思う傾向がある。夢や志を持つのはいいが、「夢が実現していない今は素晴らしくない」と考えてしまう危険性もある。
・「関心」にはとてつもない力がある。人間関係を改善したいなら相手をよく観て、関心を注ぐことだ。
・ほんの少しのことでも、毎日続けていくと大きな変化につながる。ポジティブな変化をコツコツ続けていくと、いつしか大きなリターンを得られるだろう。
・何ごとも丁寧にやることで、「今」に意識を向けることができる。
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