レビュー

「人生における幸・不幸は、後悔の記憶の量で決まる」――本書の「おわりに」の冒頭の言葉だ。多くの人の共感を呼ぶであろう言葉だが、2021年に設立され、最も人気のある格闘技イベントのひとつに成長したBreakingDownの国内代表である溝口勇児氏の「今日まで生きてきた僕の結論」となれば、重みが違うだろう。


溝口氏はいくつもの企業を設立してきた起業家であると同時に投資家でもあり、時には自らリングに上がる格闘家という顔も持つ。つまり、いつも何かと闘い、自分を成長させながら前に進む人生を選んでいるということだ。
なぜ著者は厳しい道を選ぶのか。それは自由を掴み、後悔のない人生を送るためだ。貧しい家庭に育ち、大学進学をあきらめてフィットネスクラブのトレーナーになったことからキャリアをスタートした溝口氏は、本書のタイトルどおり「持たざる者」だったそうだ。
だが著者は、「自分は恵まれていないから」と自暴自棄になることはなかった。トレーナーとして「せめて僕は、お客様の悩みやお客様の成果に、お客様以上に本気になることだけは絶対にこだわろう」と決めて、目の前の仕事に一生懸命取り組んだという。しだいに仕事ができるようになり、フィットネス業界で一目置かれる存在になったそうだ。
夢や目標がない人、現状にモヤモヤしている人、自分の将来に期待感が持てない人に、ぜひ本書を手に取ってもらいたい。著者の力強い言葉の数々を読めば、背筋が伸び、動き出す勇気をもらえるだろう。

本書の要点

・人生は選択の総和だ。後悔のない人生を送るために、選択の質を意識してほしい。


・悩みや迷いを抱えていると、思うように成長できない。どの道が正解かなんてわからないのだから、自分が選んだ道を正解にするつもりでフルアクセルを踏もう。
・批判が気になるのは自分を疑っている証拠だ。本当に説き伏せるべき敵は己の中に存在する。



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