レビュー
仕事でも日常生活でも、自分の話が相手に伝わらない居心地の悪さを感じることがあるだろう。気心が知れ、似たような価値観を持つ仲間同士であれば、多くを説明せずともスムーズにコミュニケーションが取れることもある。
本書の著者は、駿台予備学校の講師として長年「説明すること」を仕事にしてきた。かつては著者自身も説明に苦労していたというが、人気講師たちの授業を研究したところ、よい説明には一定のパターンがあることに気がついた。自身もそれを実践したところ、担当講座は大人気に。独立した現在では、教育コンテンツ・プロデューサーとして2万人以上の経営者・ビジネスパーソンに向けた「話し方トレーニング」の提供もしている。
著者によれば、聴き手が思わず身を乗り出すような「よい説明」に必要なのは「型」である。本書で紹介される「11の型」は、著者が1000人以上の事例を分析し、大学院での言語化の研究の知見も踏まえて構築したものだ。提示された型にあてはめるだけで、わかりやすい説明が構築できる。型による説明に慣れてきたら、自分なりの「独自の型づくり」にも挑戦できる。説明上手を目指したいなら、まず押さえておきたい一冊だ。
本書の要点
・言葉による説明は、分断された世界に「橋」を架ける力だ。
・「よい説明」の技術である「11の型」を使えば、話を素早く組み立て、説明の成功確率を上げることができる。
・「メリット訴求」は、説明を聴くことのメリットを相手に伝える基本の型だ。説明を受けることで聴き手にどんな得があるかを説明し、聴きたい気持ちにさせることを目的とする。
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