レビュー

日本最古の物語といわれる『竹取物語』。童話『かぐや姫』としても有名なこの古典文学を、AI要約として試みた。

原文には、昭和初期に和田万吉が再編したものを採用している。
今回はChatGPTの最新版「ChatGPT-4o」を使用した。ちょうど1年前に初めてのAI要約をした時と比べると、驚くほど出力スピードが速く、そして文章もなめらかだった。
手順は次のとおりである。まず、原文をGPTに「現代文に直して」と「翻訳」してもらう。そして、その現代語訳を竹取物語の場面に合わせて区切り、要約してもらった。その要約文をもとに、原文を照らし合わせながら編集者が仕上げていったのが、以下に掲載される「要約」だ。
これまで何度かAI要約を手がけてきたが、ここまで「楽できた」のは初である。短い話のため流し込むテキストが少なかったことや、編集者自身もあらすじを知っていることから確認しやすかった……などの良い条件が揃っていたとはいえ、最後の整えの前段階まですべてAIにおまかせできたのは画期的だ。
では今回“人間の編集者”は何をしたかというと、「味つけ」である。AIは入力した情報をまんべんなく拾ってあたりさわりなくまとめてしまうため、どうしても味気なくなってしまう。だが、物語というものは一本の単調な道ではない。
ここぞという場面を膨らめたり感情を込めたりして彩を添えるのは、人間の役目なのだと感じた。
日本人なら誰もが知る古く懐かしい物語を、AI要約で楽しんでいただきたい。

本書の要点

・竹取の翁は竹やぶで光る竹を見つけた。切ってみると、三寸ほどの美しい女の子が出てきた。翁は女の子を家に連れて帰り、おばあさんと大切に育てた。女の子は「なよ竹のかぐや姫」と名づけられた。
・五人の高貴な男(石作の皇子、車持の皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂)はかぐや姫を妻にしたいと言い寄った。かぐや姫はそれぞれに難題を出し、それをかなえてくれた人と結婚する約束をした。
・月の都から来たかぐや姫は「八月の十五夜、月に帰らなければならない」と悲しんだ。翁たちは必死に引き留めるもその甲斐むなしく、かぐや姫は迎えの人たちに連れられて天へと昇って行った。



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