レビュー
2013年から2015年頃に社会現象を巻き起こした「ビリギャル」。「ビリギャル」を合格へと導いた坪田信貴氏の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部突破の大ベストセラーとなり、有村架純さん主演で映画化もされた。
本書は“ビリギャル本人”の小林さやか氏が、勉強に“ハマる”方法を教えてくれる一冊だ。本書の「はじめに」によると、慶應大学を受けると決めたとき、小林氏はまわりから「絶対に無理だ! やめておけ!!」と全力で止められた。それなのに、合格した途端に「さやかちゃんは、地頭が良いんだよ!」と言われるようになり「ムカついた」そうだ。その経験をふまえて、22年9月よりコロンビア大学教育大学院にて認知科学を研究し、「誰でも『勉強ができる人』になれる方法」をつかんだという。本書ではそのメソッドが惜しみなく明かされている。
本書の特徴の一つは、科学的根拠のある充実した内容でありながら、書きぶりがギャル口調であることだろう。事例も親しみが湧くものばかりで、どんな人でも楽しく読んでいけるはずだ。
これから受験する学生はもちろん、資格試験や語学力アップのために勉強したい人やリスキリングに関心のある人など、勉強によって人生を切り開こうとするすべての人に一読を勧めたい。きっと、みるみるうちに成果が出て、勉強に“ハマる”はずだ。
本書の要点
・モチベーションを生むには「価値」と「期待値」が不可欠だ。著者にとっての「勉強の価値」は、「慶應に入ってキラキラの仲間入りをしたい!」だった。
・勉強の基本ルールは2つ。「ちょいムズ」のレベルをやり続けることと、できない問題を「探して」「つぶす」ことだ。
・あなたが大きな挑戦をしようとするとき、「無理だ」といってくる人は無視しよう。そういう人の大半は「やったことがなくて、無理かどうかすらわからない人」だ。
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