レビュー

2019年に出版され、140万部を超える大ベストセラーになった『人は話し方が9割』。この大きな反響に、著者である永松茂久さんは、「こんなに多くの人が、会話で悩んでいるんだ」と驚きを新たにしたそうだ。

永松さんによれば、多くの人は会話を難しく考えすぎている。会話はもっと簡単にうまくいく。それを実感してもらうために生まれたのが、続編である本書『人は話し方が9割 2』である。
本書がまず教えてくれるのは、無理して苦手な人と話そうとしなくていいということだ。会話に苦手意識があるのならなおさら、まずは話しやすい人とたくさん話して、成功体験を積むのが会話上達の近道だというのだ。この考え方を知るだけでも、会話へのハードルがぐっと低くなる。
そのうえで本書が大切にするのは、相手が気持ちよく話せるような気くばりをすることだ。そのための具体的な手法として、会話上手が自然にやっている相手が話しやすい空気を作るための話し方が、ステップごとに紹介されている。まずは1ステップ目だけでも取り組めば、効果が期待できそうなのがうれしい。
何より、会話が苦手な自分、苦手な人と話したくないと思ってしまう自分を、優しく包み込んでくれるような著者の温かい語り口のおかげで、読んでいるだけで気持ちが軽くなっていく。前作を超える内容と実用性の高い本書は、仕事やプライベートの会話に悩む人の悩みに寄り添ってくれる。会話をもっと楽に、楽しくしたいと願うすべての方に、本書をおすすめしたい。

本書の要点

・会話に大事なのはスキルよりメンタルである。自分は話し下手だという思い込みを手放すことが、会話を上達させるための最初のステップだ。
・相手に気持ちよく話させてあげる気くばりが、会話を成功させるコツだ。会話が上手な人は、感嘆、称賛、反復、共感、質問という流れで、相手が話したくなる雰囲気を作っている。
・100%会話がうまくいく究極の一言は「ありがとう」である。感謝の言葉が自然に出てくる会話こそが究極の話し方だ。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ