レビュー

キング牧師やスティーブ・ジョブズのように、名演説により人を一瞬で魅了するリーダー。彼らの研ぎ澄まされたキーフレーズ、堂々とした振る舞い、リラックスした表情。

なぜ、プレゼンの名手たちは、人前で流暢に話し、プレゼンスを残せるのだろうか。
その秘訣は、彼らが「人前に立つ前の行動」にあるそうだ。トップリーダーたちは生まれつき話すのが上手なわけでなく、誰よりも入念な準備をしている。例えばスティーブ・ジョブズも、5分間のデモプレゼンに向けて、チームで数百時間の準備を行い、彼自身も二日間のリハーサルを行ったという。プレゼンの前に何を意識し、どんなトレーニングを積めばいいのか? そのエッセンスが本書で余すところなく紹介されている。
著者は、国立大学法人長崎大学准教授で、NHKキャスターとして17年活躍し、スピーチコンサルタントとして上場企業役員の株主総会、政治家の演説を支えてきたプロフェッショナルだ。著者の経験則と心理学の研究に裏付けられた練習方法を実践していけば、ここぞという場面で感動的なスピーチができるようになっていく。
私たちは「自分」という商品を、日々誰かにプレゼンテーションしている。人との協働が増えるなかで、プレゼン力はリーダーに限らずあらゆる人が身につけておいて損はないスキルといえる。「一生が決まる瞬間」を成功させるために、トップリーダーの「話す前」の習慣を学んでみてはいかがだろうか。

本書の要点

・トップリーダーは、話す前に入念な準備を行う。まずは、(1)目的は何か、(2)メインメッセージは何か、(3)あなたは誰かを考えることだ。


・人前に立つときは、「リーダーとしての自分」を操り人形(セルフ・パペット)として俯瞰し、「それを操る自分」と分けて考えるとよい。
・人前で話す前には、メンタルを整えることや、周りの協力を得て環境を準備することが大切だ。
・リーダーが第一印象として重厚感を印象づけるうえで「重厚感の法則」が役に立つ。



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