レビュー
ビジネスパーソンは年間150時間探しモノをしている――。ある調査によると、このような結果が出たという。
よくビジネス書では「仕事効率化のポイントは、ムダな作業をやめること」と書かれているが、何かを「探す」行為は明らかにムダ作業だ。これを多少なりとも減らせれば、仕事がより効率化することは間違いない。
本書では、物理的な片付けをはじめ、仕事や思考、人間関係、タイムマネジメントなどの「整理の仕方」について解説する。著者は「整理収納アドバイザー」の資格を持つ大村信夫氏だ。大村氏は家電メーカーに勤めるかたわら、「片付けのプロ」として多くの企業で講演や研修を行っている。単なる片付け術にとどまらない効率的な思考法や行動習慣の提案は、多くのビジネスパーソンから好評を得ている。
著者は、「片付けの本質を追求していった結果、“整理できること”がキャリアや人生を整えることにつながるとわかった」と述べている。「片付けはどうも苦手」という人も多いと思うが、基本さえおさえれば大丈夫だ。本書では「片付けの基本」も紹介されているため、ステップ・バイ・ステップで試していってほしい。
本書でのメソッドは気軽に実行できるものばかりだ。
本書の要点
・仕事の「整理」ができるようになるには、「片付け」の基本を理解することが大切だ。片付けとは、「整理」→「収納」→「維持」のサイクルを回すこと。まずは必要なモノと不要なモノを分けて、不要なモノを手放すことから始めよう。
・上司から依頼された仕事は、「見積り時間の2割ほど作業した時点」で確認しよう。
・目標を達成するには、達成後のビジョンをできるだけ明確に描くことがポイントだ。
・うまくいかないときは、「あせらず」「あわてず」「あきらめず」「あてにせず」の4つの「あ」を意識して乗り越えよう。
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