レビュー

長崎ハウステンボスの再生、お台場の「イマーシブ・フォート東京」開業、丸亀製麵などの飲食店再生、オンライン診療「イーメディカル」の創出、そして沖縄テーマパーク「ジャングリア」開業。こうした幅広い領域で躍進を続けるマーケティング精鋭集団がある。

それは、森岡毅氏率いる「株式会社刀」だ。彼らはなぜ、こうした挑戦を続けるのか。次々と成功を生み出す組織的な強みとは何なのだろうか。
『森岡毅 必勝の法則』は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復で知られる希代のマーケター森岡氏の戦略の要諦と、彼と志を同じくするプロフェッショナル集団・刀の実像に迫った一冊である。日経ビジネス記者の著者による丹念な取材から、刀が「日本を強くしたい」という使命感のもと、独自の数学マーケティングによって未来を切り拓く様が生き生きと描かれている。
特に2025年に開業する「ジャングリア」構想の裏側にふれられるのは圧巻である。実は、ジャングリア構想では、森岡氏は大きな挫折を経験していた。そこからどう立ち直っていったのか。その答えをぜひ要約で確かめていただきたい。
本書は、マーケティングや経営戦略の「生きた教科書」であり、何か成し遂げたいプロジェクトがある方の心を奮い立たせてくれる一冊だ。逆境にあっても、社員一人ひとりが切れ味の鋭い「刀」となって、快進撃を続けていく――。そんな異能集団の展開に今後も目が離せない。

本書の要点

・森岡毅氏が沖縄パークの構想を描いたのは2011年である。一度は構想が白紙になったものの、森岡氏は刀を創業し、再挑戦をした。類まれなる執念と独自の「数学マーケティング」のもと、25年に沖縄北部にジャングリアが誕生することとなる。
・数々のテーマパーク再生を支えたのは、森岡氏が築き上げた「数学マーケティング」による、独自の需要予測システムである。
・刀は人材育成において、「その人にしかない強み」を本人に意識させることを重視している。



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