レビュー

あなたは仕事において、ライバルがいるだろうか。「現在いる」もしくは「かつていた」人はラッキーだ。


本書の著者、金間大介氏は金沢大学の教授だ。専門はイノベーション論、マーケティング論、モチベーション論等で、若者たちのリアルな姿を提示した著書『静かに退職する若者たち』や『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』がベストセラーとなった。
そんな金間氏の新著のテーマは「ライバル」。20代から40代までの社会人、1151人を対象に質問票調査とインタビュー調査を実施し、その結果をまとめている。
著者の調査によると、ライバルが「現在いる」「かつていた」「一度もいない」のうち、「現在いる」あるいは「かつていた」人が合わせて約4割。ここからが驚きなのだが、「ライバルあり」の人の方が幸福度が高いそうだ。「ライバルに対しポジティブな印象を持つ、現在ライバルがいる20代」は「ライバルにネガティブな印象を持つ、一度もライバルがいたことがない20代」と比べて、幸福度が39%も高い。さらには、仕事に対するモチベーションや満足度、成長実感も、ライバルの有無に左右されるようだ。これこそ、「現在いる」もしくは「かつていた」人はラッキーであると先述したゆえんである。
本書では、ライバルを4つのタイプに分けている。「好敵手」「目標」「基準」、そして「ゴースト」だ。「好敵手」「目標」「基準」については、なんとなくイメージがつくだろう。
では、「ゴースト型ライバル」とはどのような存在か、想像してみてほしい。
あなたがより幸福で充実した人生を送るためには、ゴースト型ライバルとの付き合い方が重要になりそうだ。さあ、本書を読み進めて、奥深い「ライバル」の世界へと足を踏み入れよう。

本書の要点

・著者の調査によると、ライバルがいる人の方が、幸福度や、仕事に対するモチベーションと満足度が高い。ライバルの有無によって成長実感にも差が見られた。
・本書では、ライバルの型として「好敵手」「目標」「基準」「ゴースト」の4つを提示する。ゴースト型ライバルに実体はないが、強い存在感をもって自分を追い立てる。



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