レビュー
会社にかかってくる電話。誰もとろうとしないから、仕方なく自分が応対している。
「子どもが熱を出した」と急に休む同僚。事情はわかるけど、しわ寄せはこっちにまわってくる。今日も残業確定だ。
職場でこんな「しんどさ」を抱えている人は多いだろう。「よく気がつく人」「責任感が強い人」ほどこうした状況に巻き込まれて疲弊しやすい。本書はそんな「フォロー疲れ」をしてしまった人のための一冊だ。
職場にはタスクリストに上がらない「名もなきフォロー」がたくさん存在する。もともと人員が足りていないところに、さまざまな事情から「名もなきフォロー」が発生すると、誰かがその役を担わなければならない。親切心から積極的に応じても、あまり評価されなかったり、感謝されなかったりすることは少なくない。こういうことが度重なると、次第に投げやりな気持ちになり、メンタルダウンしてしまう可能性もある。
フォローを自ら買って出るタイプの人は、まわりに対して気がきく反面、自分の疲れには鈍感だ。知らず知らずのうちに疲れをためて取り返しのつかない事態に陥らないためにも、まずは「自分が疲れている」ことに気づく必要がある。
増え続ける仕事、減り続ける人員に「もう限界!」と叫んでしまいそうな人は、今すぐ本書を開いてほしい。まずは自分自身を「フォローして」あげることが先決だ。
本書の要点
・人手不足の職場では「名もなきフォロー」が頻発し、職場の余裕を奪っている。
・フォローには疲弊するものと、それほど負担に感じないものがある。その違いは、「報われ感」があるかどうかだ。感謝や成長などの「心理的な報酬」があれば、フォローしても疲弊することが少ない。
・フォロー疲れをしている人は、自分の「内側」に目を向けてみよう。「自分自身を客観視すること」「自分の心や行動に関する技術を学び、使うこと」の2つを実践していくと、どんな場面でも柔軟に対応できるようになる。
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