レビュー
「あとでやります」
そうは言うものの、やる気配が全くない。
そんな「先延ばし人間」にイライラした経験はないだろうか。
本書は、「相手が動いてくれない」という悩みを解消するヒントを、アドラー心理学や脳科学に基づいて提案している。著者は、目標実現の専門家・大平信孝氏だ。flierでも人気の著者である大平氏が手がけた本書は、発売前に海外翻訳が決定するほどの注目の一冊だ。
著者によれば、相手が動いてくれずにイライラしてしまうのは、そもそも自分が相手に勝手な期待をかけていることが原因だ。「自分ができること」と「相手にしかできないこと」の境界線が見えなくなり、自分がコントロールできないことを解決しようとすると、うまくいかずにイライラしてしまうのだ。
「自分の課題」と「他人の課題」を区別することができるようになれば、「相手が動けるようになるためにできること」に考えがシフトしていく。そこに、人を動かすヒントがある。
難しいテクニックは必要ない。言い方や考え方を少し変えるだけで状況は変わる。ぜひ本書を読んで、円満に相手を動かすコツを手に入れていただきたい。
本書の要点
・相手を動かすために信頼関係は不可欠だ。いつものやりとりに少し工夫するだけで、相手との信頼関係を築くことができる。
・「相手を否定すること」と「自分が一方的に話す」ことが「先延ばし人間」をつくる。
・頼みごとを後回しにされないためには、行動の主導権を相手に委ねるのが効果的だ。そうすることで、相手に主体性が芽生えてくる。
・「ピグマリオン効果」により、人は期待されると期待通りの成果を出そうとする。その結果、成績や業績が伸びる傾向がある。
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