レビュー

会話では、「聞き手」と「話し手」のどちらが主導権を握っているのだろうか。多くの人は「話し手」が会話をリードしていると考えがちだが、著者はそれを「間違いではない」としながらも、「話し手は思っている以上に聞き手からの影響を受けている」と述べる。


「誰かに話したい!」と感じるような出来事に遭遇しても、話した相手の反応がよくないと、「実はこれ、面白くなかったかも……」と自信をなくしてしまうことがある。長年コミュニケーションに関する講演や研修を手掛けてきた著者も、「聴講者の状態によって、“話しやすさ”は大きく変わってくる」と述べている。つまり、コミュニケーションがうまくいくかどうかは、「聞き手」にかかっていると言っても過言ではない。
では、よい聞き手になるにはどうしたらいいか。本書には、多様な視点から聞き手に求められる基本的なポイントや、話し手に安心感を与えるテクニックがまとめられている。その中には、昨今爆発的に機会が増えたオンラインコミュニケーションについてのトピックもある。親しい友人や知人はもちろん、ビジネスシーンで発生する会話など、多くのシチュエーションで役立つことは間違いない。
本音を引き出す、会話を盛り上げる、相手の感情に寄り添うなど、本書を読めばさまざまなコミュニケーションのコツを会得できるはずだ。ぜひ多くのビジネスパーソンに手に取っていただきたい。

本書の要点

・「ねえ、聞いてる?」と言われないようにするには、相手の心を「聴く」意識が必要だ。
・ネガティブな話に応答する際は、まず「共感」から入ろう。前向きな言葉をかけるのは、相手の心が上向きになってからだ。


・会話を弾ませるためには「へー」「そうなんだ」で終わらせず、「プラスアルファの言葉」を添えよう。
・コミュニケーションに「上下関係」は存在しない。相手の上に立とうとしないで、「横から接する」意識で話そう。
・会話中の「沈黙」を恐れる必要はない。相手が黙るのは「考え中」だからだ。



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