レビュー

子どもをもってはじめて気づくこと。それは、やらなくてはならないことが多すぎることだ。

仕事や家事をこなしながら、責任もってわが子を「ちゃんとした子」に育てなければならない。誰もがそんなプレッシャーを抱えている。
しかも最近は子育てに関する情報があふれていて、「〇歳までにこれができないと」「将来のために××を習わせるべき」と、どこからともなく耳に入ってくる。ただでさえ子育ては不安だ。気持ちに余裕がなくなって、イライラしてしまうこともあるだろう。
本書は、そんな子育て中の人に向けた一冊だ。「モンテッソーリ教育」をご存じだろうか? 世界140カ国で行われている教育法で、「子どもには『自ら育つ力』がある」という考えを軸とする。本書ではモンテッソーリ教育をベースに、あれもこれもと詰め込みすぎる現代の子育てを軽くする、「子育ての引き算」を提案する。
そもそも、人間には自然に育つ力が宿っている。赤ちゃんは数年経つと、誰が教えなくても歩いたり走ったり話したりするようになる。その自然な力を信じてサポートしていくことこそが、大人の役目なのである。
本書では「子育ての引き算」の基本的な考え方から、引き算すべき7つの要素を具体的に解説する。
日常での声かけ例も載っているため、すぐに応用できるのも嬉しい。
あれこれ詰め込んでしまうのは、すべてわが子を思う気持ちからである。だけど、もっと大人も子どもも楽しくて、楽になれる子育てもある。本書を読めばそれがわかるはずだ。
※本書は0~6歳児を中心に、0~9歳を対象として書かれています。

本書の要点

・楽しく心地よい子育てをするコツは「引き算」にある。あれこれ「足す」のをやめて、本当に大事なものだけを選び取り、それ以外は手放していこう。
・「子どもの育ち」のゴールは2つの「じりつ(自立/自律)」にある。子どもには本来「自ら育つ力」が備わっている。その力を信じて、「じりつ」するまで長期的にサポートするのが親の役目である。
・子育てで「引き算」すべきは、「決めつけ」「手出し口出し」「期待の押しつけ」「べき思考」「競争&比較」「不一致な言動」「賞罰」の7つだ。



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