レビュー

常に高いパフォーマンスを出せるチームをつくり、安定的に成果を上げたい――。これは多くのプレイングマネジャーに共通する願いだろう。

だが、この目的に向かってがむしゃらに奮闘した結果、あまりの忙しさにストレスを溜めてしまっていないだろうか。
本書の著者、中尾隆一郎氏はリクルート出身の経営者だ。同社では子会社の代表や執行役員を歴任し、スーモカウンター推進室室長時代には、6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした実績を持つ。現在は株式会社中尾マネジメント研究所の代表取締役社長として、経営者塾の運営や業績向上コンサルティングをはじめ、幅広い分野で活躍している。
中尾氏は「『プレイングマネジャー』を無理ゲーから助けたい」という想いで本書を執筆したという。プレイングマネジャーは、プレイング業務の増加、タイムマネジメントの厳格化、新業務増加への対応、上司の無理なあるいは曖昧な要望、メンバーへの対応の高度化、本人のマネジメント力の不足という「6つの圧力」に苦しみ、無理ゲー状態に陥っている。この状態から抜け出すためには、常識を疑い、当たり前にやっていることを「やめる」「絞る」「見直す」作業によって、時間を生み出さなければならない。これが本書の主張である。
本書では、やめる・絞る・見直すノウハウが非常に具体的に提案されている。これ一冊読めば、効率よく成果を上げるためのヒントが得られ、無理ゲー状態から脱出できるだろう。

本書の要点

・プレイングマネジャーを無理ゲー状態から解放するためには、「やめる」「絞る」「見直す」という3つのアプローチが有効だ。
・やめるべき対象は、定期的な1on1、手間がかかる目標管理、そして会議の生産性を下げる7つのことである。


・MAT、30MR、9BOXという3つのツールを順に使ってフォローすべき「ヒト」を絞れば、プレイングマネジャーの仕事を減らせる。
・G‐POP®シートを使った報告・振り返り習慣を取り入れると、メンバーが自律自転し始める。



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