レビュー

「お金配り」「日本の民間人として初の宇宙滞在」「ZOZOTOWN創業→ヤフーと提携して代表を退任」など、何かと話題が絶えない前澤友作氏。昨今では「お金配りやめます」と書かれたパネルを掲げ、明石家さんま氏と対談する「カブアンド」のCMで再び注目を集めた。

本書はその「カブアンド」のコンセプトを前澤氏自らが語る、初の著書である。
前澤氏は「お金配り」の経験から、「金銭的支援は、社会問題の根本的解決につながらない」ことに気がつき、次のステップとして「株を配る」ことを決めた。このアイデアは、国民一人ひとりが資本主義社会の主体者となり、企業の成長を支える「インベスタマー(お客さま兼株主)」としての役割を果たすことを目指したものだ。
本書では、「なぜお金配りをやめたのか」「なぜ株を配るのか」「カブアンドはどんな仕組みなのか」といった、多くの人が抱く疑問に対して、前澤氏自身が答えている。平易な言葉で書かれているため、投資や経済に詳しくない人でも理解しやすい。また、文章からは「楽しいことや嬉しいことをみんなで共有したい」という氏の思いが伝わり、その人柄や魅力に触れることもできるだろう。
本書には、前澤氏の社会改革への情熱が詰まっている。タイトルである「国民総株主」に込められた想いも、確認してほしい。未来の社会の在り方を考えるきっかけとして、多くの人に読んでいただきたい一冊だ。

本書の要点

・「国民総株主」とは、「日本人すべてがなんらかの株式を所有する状態」を指す。著者は「国民総株主」の世界を目指している。
・より多くの人に株を持ってもらうため、著者はサービス利用で株をもらえる仕組み「カブアンド」を始めた。

これは「インベスタマー(お客さま兼株主)」という会社と株主の新しい関係性を提案する試みでもある。
・どんなにお金を配っても苦しい人は減らず、世の中は変わらない。
・国民一人ひとりが株主としての自覚を持つと、「インベスタマーが主役になる」時代が訪れる。すると、資本家や経営者の在り方も変化していくだろう。



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