レビュー

使われなかった時間について考えたことがあるだろうか……。
こんな書き出しで始まる本書は、ブックデザイナーである井上新八氏が、時間のデザインについて考える一冊だ。

本書の言葉を借りれば、デザインとは、「わかりやすくする」ということ。時間の使い方をわかりやすくしていく本書には、フリーランスとして働き続けてきた著者が、個人的な実践から編み出した人生の戦略が詰まっている。
著者がデザインする本は多いときで年間200冊。アシスタントなしで常時30件ほどの仕事を並行させながら働いているというのだから、1日中忙しく仕事ばかりしているのではないかと想像してしまうが、まったくそんなことはない。時間をデザインしたことで「1日が2倍になった」という著者の1日は、「2倍」という言葉が誇張に感じられないほど、充実感に溢れている。仕事は常に締め切り前倒しで終わらせ、毎日1冊の本を読み、運動、ドラマやアニメの視聴、マンガやゲームも欠かさない。さらには、独学で毎日ダンスの練習まではじめたという。ここには挙げきれないほどのたくさんの活動を、著者は「毎日」行なっている。
どうしたらそんなことができるのか。ポイントは「習慣化」だ。やりたいことをやる時間がないという話はよく聞くが、著者はやりたいことなら少しでもいいから毎日やろうとする。これが積み重なって、最終的には大きな成果につながっている。

時間をデザインすることは、あなたのありたい人生をデザインすることだ。本書とともに、「自分は何を毎日やりたいか」と考えてみよう。

本書の要点

・人間は毎日やれば続けられる。ルーティーンを徹底して時間をデザインすることで、自分の理想の生活を実現できる。
・時間をデザインするには、必要なことすべてを「習慣化」するといい。6つのコツを使って、自分に合ったルーティーンを作っていこう。
・時間のデザインをする際は、「鬼速でやる」「圧倒的に数をこなす」「無駄なことをとことんやる」という3つのルールを意識するといい。



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