レビュー
思っていることを口に出せない。相手に気を遣いすぎてしまって、自分の意見を主張することができない。
著者の内藤誼人氏は「日常で役立つ心理学のテクニック」を、数々の著作を通して発表してきた人気心理学者だ。とくに社会心理学をベースにした「悩める現代人に寄り添ってくれる」アドバイスには定評がある。
本書では、「言いたいことを、つい我慢してしまう」人が、スムーズに自分の思いや意見を伝えるテクニックを教えてくれる。このタイプは、どんな場面でも相手を優先してしまう。「自分は自己主張ができないタイプ」と諦めているかもしれない。
特に難しいのは、相手に「反対」するときだろう。相手は気を悪くしないか、反対することで自分が責められるのではないか、そうなったら理由をちゃんと説明できるだろうか……と不安が渦巻いて、言葉をぐっと飲みこんでしまう。その結果、心にはモヤモヤが溜まっていく。
しかし、本書のテクニックを実行していけば、すんなり悩みを解消できるはずだ。なぜなら、「言いたいことを言う」のは習得可能な「スキル」であるからだ。
本書は日常のよくあるシーンを題材にしており、軽やかな文章で気負わず読める。
「言われっぱなし」を卒業したい人は、ぜひページをめくってほしい。頷きと共感の先に、希望の光が見えるはずだ。
本書の要点
・人にナメられないようにするには、まず服装などの「見た目」を整えよう。それだけで自信がつき、物おじしなくなる。
・意見を言うときは「どうせ受け入れられない」と思ってはいけない。思考は現実になる。むしろ「拒絶されるなんてありえない」と思っていると、驚くほどすんなり受け入れられる。
・相手の意見に反対したい場合は「質問」しよう。印象を悪くせず、相手自身に考えを促すことができる。
・日常の挨拶をおろそかにしてはいけない。円滑なコミュニケーションは、たった一言の挨拶から始まる。
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