レビュー
「売れる商品のつくり方」を知っているプロマーケターたちは、「ヒットの種」をどう見つけているのだろうか?
本書は、日本トップクラスの広告会社・電通で実践されている「思考のプロセス」をまとめた一冊だ。電通のマーケターたちが、売れる商品やサービスをつくるために、最も重視しているのが「インサイト」である。
本書では、インサイトを「人を動かす隠れたホンネ」と定義する。人とは不思議なもので、自分の本心や欲望に自分でも気づいていないことが多い。そのため、誰かにそれを言い当てられたり「自分が求めていたのはこれだ……!」というものに出会ったりすると、一瞬で心をつかまれてしまう。
心が動けばカラダも動く。人を行動に駆り立てるモノやサービスやアイデアのベースには、必ず「インサイト」が存在する……というのが、本書の主張である。
では、どうすれば「インサイト」を見つけられるのだろうか?
これまでインサイトは「一部のセンスのある人たちが、直感的に見つけるもの」だと考えられてきた。だが著者らは、「野球のバッティングのように『型』を覚えれば、誰でも見つけられる」と断言する。そして、長年の知識と経験をもとにつくりあげたのが、インサイト発見のフレームワーク「出世魚モデル」だ。要約では「出世魚モデル」のステップと応用事例を中心に構成した。
インサイトはビジネスだけでなく、身近な人間関係にも応用できる。ぜひ本書のメソッドを実践して、インサイトの使い手になってはいかがだろうか。
本書の要点
・インサイトとは「人を動かす隠れたホンネ」だ。
・ごく小さな「気づき」や「違和感」を少しずつ育てていくことで、インサイトに成長する。この思考プロセスを「型」にしたのが、インサイトの「出世魚モデル」だ。
・「出世魚モデル」は5つのステップで構成される。(1)日常の中の違和感に目を向ける(2)違和感を抱いたのはどんな常識か?を明らかにする(3)どんなホンネが隠れているか?を探る(4)隠れたホンネを、納得のいく言葉にする(5)自分の言葉を、みんなに信じてもらう
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