レビュー
「サボることに全力を尽くす」という著者・大塚あみ氏がChatGPTに出会ったのは大学の授業中。「人格を持たせる」ようなプロンプトを作り、サボり癖のある大学生が書きそうなレポートを書かせるという使い方を考えていた。
「ChatGPTで人生が変わった」という著者だが、この変化は容易に起きたのではない。新たな技術のおかげで著者のなかにあった熱意が、これまでの学習体験とは違うかたちで花開いたという印象だ。従来のプログラミング教育では、見本のコードを「写経」のように書き写し、少しずつ構文の知識を身につけていくしかなく、ソフトウェア開発の設計や開発に関わる体験をするハードルが極めて高かった。しかし、ChatGPTの登場はその壁を取り払い、プログラミング初心者にソフトウェア開発の本質的な部分をいきなり体験させることを可能にしている。
このような学習体験は、プログラミングだけで起こるわけではないはずだ。何かを学びたい人にとって、ChatGPTは新たな学び方や、新しい窓口を提供してくれる。著者の100日を追うことで、その可能性を実感できるだろう。
本書の要点
・サボり癖のある大学4年生だった著者は、授業中に先生の説明そっちのけでChatGPTを使ったゲーム作りをしていた。予想外にそれが先生から褒められたことで、学会発表の機会を得る。
・学会発表は無事に終わったが、自分の技術不足を痛感していた著者は、毎日SNSでプログラミング作品を投稿する「100日チャレンジ」を行うことにする。
・チャレンジを続けるなかで、自分の「サボり癖」はエンジニアとしての「才能」につながっていることに気がついた。このチャレンジは、まさしく著者の人生を変えることとなった。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。