レビュー
優れたリーダーは何が違うのか。そこに共通するセオリーはあるのか。
この問いに正面から取り組んで一冊にまとめたのが『強いチームをつくる! リーダーの心得』である。2014年の初版から「リーダー本のテッパン書」として多くの読者に支持されてきたが、今回10年の時を経て、「決定版」としてリニューアルされた。
昨今、管理職になりたがらない若手が増えているという。その理由の1つは「自分は向いていない」という思い込みだ。この“リーダーの向き不向き問題”は今に始まったことではなく、著者もかつては「自分にはリーダーの資質がない(だからやりたくない)」と思っていた。それでも25歳で営業リーダーに抜擢されてから、試行錯誤を重ねてリーダーシップに取り組み、いまでは企業向けにリーダー研修を行うまでになっている。著者が強調するのは、「リーダーに向いているかどうかは関係ない」という一点だ。
そもそもリーダーシップに「絶対の正解」はなく、無口でおとなしく、人を引っ張るタイプでなくてもリーダーは務まる。重要なのは資質ではなく、セオリーを学んで実践すること。そうすれば誰でも優れたリーダーになれるのである。
今まさに管理職の打診を受けて悩んでいる人や、「向いていない」を理由に挑戦を迷っている人は、ぜひ本書を手に取ってほしい。著者自身が実践してきた「こうすればできる」というノウハウを知れば、希望の光が見えるはずだ。
本書の要点
・リーダーとは「役割」であり、個人の資質とは関係ない。リーダーの役割に自信を持つためには、コミュニケーションを質・量ともに上げることがポイントとなる。
・主語をあなた(YOU)から私たち(WE)に変えると、チームに一体感が生まれる。
・新たな挑戦をする時は、PDCAではなく「無邪気な実験」サイクルを回すといい。
・チームの成果を目指すなら、仕事を部下に任せよう。リーダーの役割はチームの「本気度の総量」を上げることだ。
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