レビュー
「今の自分が好き」と言える人は、どれくらいいるだろうか。よく「日本人の自己肯定感は低め」だと言われるが、誰もがどこかに劣等感を抱え、ダメな自分を恥じている部分はありそうだ。
しかし、世の中には「自分のことが好き」な人たちもいる。本書によると、その代表格は「成功者」。そう聞くと「成功したからそう言えるんでしょ」と思うかもしれないが、そうではないという。「成功したから自分が好きになった」のではなく、「自分が好きだから成功した」――つまり、順番が逆なのである。
「自分のことが好きな人」とは、「自分にやさしい人」でもある。そもそも「自分にやさしくする」とは、ダラダラと自堕落な生活を送ることではない。ダメな部分も受け入れて、「今の自分」を起点に夢を描いたりチャレンジしたりする。そうして楽しみながら行動しているうちに、自然と理想の人生が手に入るのだという。
著者の今井孝氏は、それを体現しているひとりだ。自分の「好き」を活かした事業を運営するかたわら、ビジネス書の執筆も手がけている。著書の『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」でビジネス実務部門賞に選ばれたことは、記憶に新しい。
私たちは小さいころから他人と比べられながら、「もっと、もっと」と追い立てられてきた。
本書の要点
・「自分にやさしくする」とは自堕落になることではなく、「不完全な自分を受け入れる」ということだ。そうすると失敗が怖くなくなり、やりたいことにどんどんチャレンジできるようになる。人間関係も好転し、いつの間にか理想の人生が手に入っている。
・自分にやさしくするポイントは、「自分を大切な友だちのように扱うこと」である。また、「ハードル(目標)を下げる」「自分を認めて愛する」「好きなことをする」「周りに頼る」「受け取る」の5つを意識するといい。
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