レビュー
人の心ほど、不可思議で予想がつかないものはない。でも、もし相手の心の内がわかったら、どうだろうか?
本書は、『世界最先端の研究が教える もっとすごい心理学』(総合法令出版)を「新版」としてリニューアルしたものだ。
著者の思惑通り、本書で取り上げている心理学は、身近な出来事や日常的な思い込みの正体など、かなり興味深い内容になっている。相手の心の動きどころか、自分が無意識にしている考え方まで、まるで心の内を見透かされているように感じるのではないだろうか。面白いネタとはいうものの、ビジネスや人間関係、自分の心をコントロールする方法など、実生活にも役立つ心理学ネタが多い。
たとえば、金額交渉するときは、キリがいい金額よりも端数がある金額を提示することをすすめている。そうすることで「手ごわい相手」と認識され、譲歩を引き出しやすくなる。こうした知識は、ぜひビジネスに取り入れたいテクニックだろう。
まずは、本書を手に取り、紹介される研究の面白さを楽しんでみてはどうだろうか。知っておいて損はない、むしろ知っておかないと怖くなる。そんな心理学ネタが満載だ。
本書の要点
・ポジティブな出来事のほうがネガティブな出来事よりも、3倍から5倍多く起こっている。しかし、ネガティブな出来事のほうが気分との結びつきが5倍も強いため、心に残りやすい。
・金額の交渉をするときは、細かい金額で提案したほうがいい。その金額に根拠がなかったとしても、相手は、「計算しつくして出してきた金額だ」と思い込み、厳しい要望をしにくくなる。
・仕事で成功したいときは、ハッピーな気持ちで働くことが大切である。自分の満足度が高ければ、あとから収入や立場などの客観的な成功がついてくるものだ。
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