レビュー

「《才能カフェ》たった3分で、あなたの才能を見つけます」。そんな看板を見かけたら、思わず扉を開けたくならないだろうか。


「才能」と聞くと、特別な人だけが持つものと思うかもしれない。だが本書は、誰もが才能に満ちあふれているという考え方を一貫して伝えている。
著者の佐野貴さんといえば、才能研究の知見を惜しみなく発信するポッドキャスト『TALENT TALK』を楽しみにしている読者もいるだろう。そんな佐野さんが、延べ1000人以上の才能を分析・プロデュースしてきた経験と、膨大な研究結果に基づいて編み出したのが、「才能のトリセツ」だ。
本書は、生き方に悩む若者と、才能カフェの店主(マスター)との対話を通じて、「才能のトリセツ」を作成していく画期的な一冊である。「発動条件」「欲求」「才能」「才能方程式」「やりたいこと」という5つのステップに沿って、各章末のワークシートに取り組む構成だ。
才能が発動する「条件」とは? 才能の源泉となる「内なる欲求」とは何か。興味深い問いに答えるうちに、才能診断を体験でき、自分の内面と深く向き合える。そして最後には、唯一無二の「才能のトリセツ」が完成する。
要約者自身も、自分の中の宝箱が開いていくような感覚を味わい、安心感に包まれた。
自分の才能を明らかにしたい方や、メンバーの才能を生かした組織・チームづくりをめざす方に、ぜひお読みいただきたい一冊だ。自分を「そのままで価値ある存在」だと認められたとき、内に秘めた才能は自然と開かれていくだろう。

本書の要点

・才能とは、「行動の癖」であり、「ついついやってしまうことで、やってよかったと思えること」である。
・「才能のトリセツ」は、「発動条件」「欲求」「才能」「才能方程式」「やりたいこと」の5つで構成されている。これらを順に問いかけていくことで、完成する。
・才能をできる限り使って、フィードバックループを何度も回すことで、人生が好転していく。



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