レビュー
本書の著者、精神科医の樺沢紫苑氏が診察した患者は、処方箋を受け取るだけで笑顔になることが少なくないという。処方箋には、それぞれの患者が持つ悩みに対応する薬が記載されている。
病院に行くほどではないが、日常的に心を重くする悩みや不安を抱え続けている人にとっては、本書が効果的な処方箋となるかもしれない。樺沢氏は、登録者数63万人(2025年7月現在)を越えるYouTube「精神科医・樺沢紫苑チャンネル」を運営しており、これまで8000問以上の悩みや疑問に答えてきた。その経験から「対処法がない悩みはない」と言う著者が、悩みや疑問の対処法をまとめたのが本書『心がスッと軽くなる93の処方箋』だ。
本書の特徴は、なんといってもお悩みや疑問に対する一問一答の明快でシンプルな回答だろう。もちろん、処方箋の内容もわかりやすく解説されており、イラストを見るだけでも考え方や対処法が理解できる。心が疲れ切ってしまっているときでも、本書を開くだけで、がんばらなくても対処法を得ることができるはずだ。
さらに本書は、悩みごと別に構成されているので、目次から「自分にできそうなこと」を選んで読むのもいいだろう。まずは、本書の目次を開いてみよう。きっと「読んでみたい」と思うページがあるはずだ。読むだけでポジティブになり、がんばりすぎないアドバイスは、きっと試してみたくなる。
本書の要点
・やる気がでないのは、エネルギー不足であり、体が疲労の蓄積やメンタルの状態がよくないことを訴えている状態である。
・意識的に笑顔をつくることで、ポジティブになれる。顔の表情筋が脳に直結しており、口角をあげるだけでも幸福物質のセロトニンが分泌されるのだ。
・自分が相手から嫌われるのは相手の問題であり、変えることはできない。しかし、自分を嫌っている相手にどう対応するかは、自分が決めることができる。
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