レビュー
最近あまり眠れていない気がしたから夜10時過ぎに床に就いてみたのに、夜中の3時に起きてしまった。寝だめしてみたけれど疲れがまったくとれない。
OECDによる2021年の調査では、加盟31カ国中、日本は最も睡眠時間が短いという結果だった。2023年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、睡眠時間の平均が6時間未満の人は男性が38.4%、女性が43.6%いて、しかもその8割は倦怠感などを訴えている。「生理学的には、もうこれ以上睡眠を削れないところまで来ている」のだ。
にもかかわらず、時間ができても持ち帰りの仕事や勉強、趣味などにあててしまい、寝ようとはしない。「寝る時間がもったいない」と考える気持ちはわかるが、それは「大間違い」だという。週末の寝だめや電車での居眠りで眠気が解消され、「なんとかやれている」と思っても、実際には睡眠負債とそれに伴う健康リスクは消えていないからだ。
本書は、数多くの睡眠専門家へのインタビューにもとづき、睡眠時間を確保しなくてはならない科学的な根拠と、快眠のためのポイントを明快に伝えてくれる。夜にやることがなくて早く寝てしまう人も、やりたいことが多すぎて夜ふかししてしまう人も、生活習慣のなかで睡眠を改善していく必要がある。ショートスリーパーは夢のまた夢、人間はとにかく、眠らなくてはならない。
本書の要点
・ちゃんと寝たつもりなのに感じる眠気は、ししおどしにたとえることができる。
・不眠症の基準は主観的なものであり、「客観的な睡眠の状況と主観的な睡眠の状況が異なるケースはとても多い」という。
・「睡眠中に成長ホルモンをしっかり分泌させること」が重要だが、そのために提唱されていることの1つに、「3・3・7睡眠法」がある。
・枕とマットレス選びのポイントは、寝返りをスムーズに打てることだ。
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