レビュー

本質は目に見えない。だからこそ、多くの人が気づかずに見逃してしまう。

一方で、それを見抜ける人は、他者とは異なる視点から物事をとらえ、圧倒的な存在感を放つ。本書は、そうした“見えないものを見る力”の鍛え方を解き明かす一冊である。
著者の羽田康祐氏は、外資系コンサルティングファームと広告代理店で実務経験を積み、現在は朝日広告社でプランニングディレクターを務める人物だ。ロジックと発想力のハイブリッドを強みとし、ベストセラーとなった『問題解決力を高める「推論」の技術』などでも知られている。
羽田氏によれば、本質を見抜けないと、ビジネスの現場で的外れな行動や判断を繰り返してしまう。加えて、ビジネス環境の複雑化、情報濁流、変化の激しさにより、ますます本質が見えにくくなる社会において、深い洞察を持つ人こそが力を発揮するという。
本書は、「本質を見抜く力」を7つに分けたうえで、それぞれの力を身につけるメリットやマインドセット、本質を見抜くための具体的なステップを、身近な例とともに提示する。思考の向け方から問いの立て方まで、実践的な内容が詰まっており、今日からすぐに試せるだろう。表面的な情報に振り回されることなく、迷わず判断し、すぐに動けるようになりたい人にとって、極めて実用的な一冊である。

本書の要点

・「本質を見抜く力」は、7つのスキルから構成されている。これらの力があれば、表面的な事象に惑わされずに本質をとらえることができ、迷わず決断を下せるようになる。
・本質的な「意味」を見抜くための3つのステップは、(1)内容を理解する、(2)背景と照らし合わせて解釈する、(3)自分の解釈が妥当かどうかを検証する、である。


・本質的な「目的」を見抜くための3つのステップは、(1)繰り返し「何のために、その問題を解決するのか?」を自分に問う、(2)背景と照らし合わせて妥当性を見抜く、(3)真の目的かどうかを確かめる、である。



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