レビュー
「最近、毎日のように残業してるんだ。疲れがたまってるのか、昨日なんてコンビニのおにぎり1個しか食べられなくて……」
「おにぎりといえば、この前、すっごいおいしいおにぎり屋さんを見つけたんだ!今度一緒に行こうよ!」
こんなふうに返されたら、あなたはどう感じるだろうか。
著者によると、キーワードは「具体」と「抽象」だという。人の思考スタイルは、情報や経験、専門知識のような「具体的知識」がどれだけあるかと、その経験や情報から法則を見出し一般化する「抽象化能力」の高さの組み合わせによって決まる。両者には偏りがある場合もあるし、分野によって異なる場合もあるのだという。相手がどのような思考スタイルを持っているかを理解することで、適切な対応が可能になり、「嚙み合わない会話」が減らせるというのが本書の主旨だ。
本書では「困った人」の思考パターンを、具体的な場面の例を交えながら解説し、その「トリセツ」まで紹介してくれる。理論だけでなく、すぐに現場で活かせる実践的な知識が満載だ。
「なんかスッキリしないな……」というコミュニケーション上の小さなストレスを解消するのに、もってこいの一冊である。
本書の要点
・「嚙み合わない会話」は思考スタイルの違いによって生じる。思考スタイルは、「具体的知識」と「抽象化能力」のレベルの組み合わせによって決まる。両者は互いに補い合う関係にあり、バランス良く向上させることが重要だ。
・「困った人」との会話を嚙み合うものにするためには、相手の思考スタイルを理解し、そのスタイルに合わせてコミュニケーションを取ることだ。
・思考スタイルを高めるためには、「具体的知識」から上げていくといい。一方、「抽象化能力」の向上は難易度が比較的高く時間もかかるが、全ての分野に活用することができる。この両方を高めていくように、日頃から意識することが大切である。
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