レビュー

あなたが「もっと時間を減らせたらいいのに……」と思う業務は何だろうか。おそらく、会議、資料作成あたりが上位にくるはずだ。

「1日中会議やミーティングで、自分の仕事が進まない」「経営会議に出す資料、どうせ読まれないだろうけどちゃんと作らないとな……」。そんなぼやきが聞こえてきそうだ。
ビジネスパーソン17万人への調査によると、最も時間を取っているのは「会議」。なんと仕事時間の45%が会議に使われているそうだ。次点は資料作成で14%、その次にメール(9%)と続く。
もちろんそれらは“必要”であるからこそ存在するわけだが、形骸化しているものや、ダラダラと時間ばかりを食っているものも存在する。「仕事の効率化」という観点から言えば“なくてもいいもの”も多いのではないだろうか。
本書では、「トップ5%社員」シリーズの越川慎司さんが、会社の「名もなきムダ仕事」を徹底的に洗い出し、それらをいかに減らすかをデータとともに提示する。一例を挙げると、気合を入れて作ったカラフルで文字ぎっちりのパワーポイントは、実は相手の読みづらさを誘発している可能性がある。相手の立場から言えば、文字も色数も少なめでちょうどよいのである。
本書では、資料作成、メール、会議・打合わせ、社内DXに分けて、それぞれの効率化を提案する。既視感のある事例ばかりで胸が痛むが、これらを実践すれば、かなり負担を減らせそうだ。
ビジネスパーソンなら読んでおいて損はない一冊である。

本書の要点

・人に読んでもらえるパワーポイント資料の鉄則は「1画面の文字数は105文字以内」「画面に使う色は3色以内」「対角線を意識する」である。
・メールのCCに入れる範囲をルール化すると、忖度によるムダなCCメールを削減できる。
・雑談ばかりで時間通りに進まない会議は、「時間を45分に設定」「ファシリテーターを置く」の2つで解決できる。
・社内のDXに反対する人を巻き込むには「1週間だけ使ってみませんか?」と「お試し」を提示して、まず使ってもらうことだ。



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