レビュー
2024年12月25日、スズキ第四代社長・鈴木修が94歳でこの世を去った。本書は鈴木修の評伝である。
冒頭、販売店大会に赴くために乗車した新幹線の自分のシートで、黒シャツに背広という姿から、ワイシャツ、ネクタイ姿に着替える本人の描写と写真で物語が始まる。著者は時にカメラマン同行で、取材していたのだ。
「こんなところまで撮るのか」と迷惑そうにはするが、鈴木修は怒る様子もなく淡々と着替えを続ける。着替え終わると、シートに身を沈め、広げた新聞紙を頭からかぶって爆睡した。ご丁寧なことに、その珍妙な睡眠風景の写真も本書に掲載されている。
この箇所で、読者はシビれるはずだ。なんだこの人物は。彼が「軽自動車を作り上げた」というなら、この本を読んでみようじゃないか、と。
評伝によっては相手の都合のいいことしか書かないものもあるが、本書は違う。相手の懐に入って鋭い質問を投げかけ、異論を紹介することもある。まさにジャーナリストの仕事だ。
魅せられるのは、時に漫談のような、時に卓抜な比喩に満ちた、鈴木修の生の言葉だ。
本書では鈴木修のことを、鈴木とも修とも書かない。鈴木と書けば、他に何人も登場する鈴木一族の中に埋もれてわからなくなるからだろうし、修だけではどこか物足りないからだろう。終盤、臨終の箇所で、著者は「スズキ修」と書いた。スズキの修。そんな意味を込めたのだろう。
本書の要点
・鈴木修は元特攻隊員であり、師範学校出の教師、銀行員を経て鈴木家の婿養子になり、スズキに入社した。
・1978年、鈴木修は48歳でスズキの第四代社長に就き、最初の4年間で重要な決断を行った。「アルト」の商品化、世界大手だったGM(ゼネラル・モーターズ)との提携、そしてインド進出である。
・「アルト」の大ヒットによりスズキは軽自動車セグメントを制したが、鈴木修は自動車市場でのトップにこだわった。そこで着目したのがインドである。「自動車メーカーのない国に行けば、一番になれる」と考えたのだ。
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