前回のニュースでお伝えした、スペインサッカー連盟の会長選挙と自浄能力ゼロ問題に新たな展開があった。
容疑者を新会長にはできない
あの後、ルイス・ルビアレス前会長の息が掛かったペドロ・ローチャが会長選挙に出馬。予想通り、評議員の圧倒的な支持を得て正式に候補となる一方で、他の候補たちは評議員の支持を集めることができず、出馬を断念。
連盟にはこれ以上打つ手がなく、監督官庁であるスポーツ高等委員会(CSD)が介入せざるを得なくなったのだが、これにFIFAが嚙みついた。政府の介入は民間の団体である連盟の独立性を揺るがす、という理由である。
これ、理屈としてはよくわかる。
あなたの会社の社長選びに役所が口を挟み、子飼いの新社長を就任させる、なんてのは私的自治の原則に反している。国家による統制であり、横暴である。
FIFAの規定によれば、国家が介入した連盟の代表やクラブは、FIFAとUEFA主催のコンペティションから追放されるペナルティを科される。つまり、今夏のEURO 2024とパリ五輪の参加資格を失うということで、加えて2030年のポルトガル、モロッコとの共同開催によるFIFAワールドカップの決勝戦の舞台がマドリッドである可能性も低くなった、と言われている。
臨時の監視委員会を設置?
しかし、だ。じゃあ自浄能力ゼロの連盟を放置しろ、というのか?
アンヘル・ビジャール、ルビアレスと二代連続で会長が汚職で逮捕された後に、汚職の容疑者を新会長に選べというのか? FIFAとUEFAが責任を持って、品行方正で清廉潔白な人物を送り込んでくれるというのか? 汚職スキャンダルなら“親分格”の両団体にそんな人物がいるのかは、はなはだ疑問である。
折衷案として、CSDは臨時の監視委員会の設置を決めた。
この監視委員会は上位機関として連盟の行動をチェックする。メンバーはサッカー界、法曹界、経済界の重要人物で、ビセンテ・デル・ボスケ元スペイン代表監督の参加が噂されている。空位を避けるためにローチャの新会長就任は認める。ただし彼には連盟の代表権のみを与え、それ以外のいかなる決定権も与えない。12月に現任期の満了を経て新会長の選挙が行われ、それにはローチャは出馬させない。この12月の新会長選挙の終了を見届け、監視委員会は解散する。
監視委員会設置についてはFIFAの承認を受けたとCSDは言っているが、FIFA側のリアクションはまだ。ローチャの権限を制限するとか選挙に出馬させないというのは、不当な国家権力の介入と言えば言えるわけで、まだまだ揉めるかもしれない。
Photo: Getty Images

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