【死ぬまでにやりたいこれだけのこと】
ホリさん(モノマネ芸人/48歳)
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プロデュース番組も持つモノマネ芸人のホリさんが死ぬまでにやりたいのは、キー局で芸人目線で番組を作ること。サラリーマン時代に好きだった商品開発の夢も語った。
父親が亡くなって母親が1人になったこともあって、やりたいことのひとつはまず高齢者施設の慰問なんです。
母親は千葉の家で1人暮らししているのですが、やることがなくて、毎日ぼーっとしているみたいで。でも、僕が週に1度帰るといつもよりは調子がよくなる。
同じといったらなんですが、ロケで施設に伺っておちゃらけたトークやモノマネをやると、高齢者施設の利用者さんたちは笑って元気になってくれる。
これだけ高齢者が増えている時代、施設に入るのが嫌な方も大勢いますよね。僕の母親もそうだと思う。だから、施設を少しでも楽しい場所にできたらいいなと考え、慰問したいんです。モノマネ芸人だから昔の歌をマネたら喜ばれるかも。
母親のことだけでなく自分も年を取ってきたこともあり、最近は老後の問題を考えるようになりました。
仕事面でやりたいことは「自分で番組を作る」です。今は千葉テレビさんでやっています。僕がスポンサーさんと話してゼロから企画した番組を今まで50回以上。
資金は少ないですが、それは僕の力不足でもあるので、僕のプロデュース力と企画力が上がれば、力を貸してくださる人がもっと増えていくと思う。そしていつかは民放のキー局で作りたい。その時は「モノマネ芸人目線で作ったモノマネ番組」をプロデュースできたらいいなと。
どういうことかというと、モノマネ番組はスタッフさんから「こういうネタをやってほしい」「このネタはこうやってほしい」という指示があるじゃないですか。演出を含めて。
そうではなくて「なるべく芸人のネタをいじらない。はやりの人や出来事のモノマネをするのではなくて、はやりそうなモノマネをやる」というスタンスの番組作り。なぜなら、流行を追うのではなくて、自分で流行をつくりたいのが芸人ですから。
それとよくスタッフさんから「若いモノマネ芸人さん、いませんか」と聞かれるんですが、この前、僕の番組では「50歳以上でまだまだすごいモノマネ芸人」を集めた企画をやりました。
そういうプレーヤー目線の企画をキー局で作って、それが新しい形になり、視聴率も取れたら最高です。
今は企画・構成を僕とディレクターさんの2人の脳ミソだけでやっているので、キー局で作る際はいろんな人に参加してもらいたいですね。
芸人の面白いノベルティーを受注する会社を起こす
僕はスポンサーさんと打ち合わせながら、新企画を考えるのが好き。学生時代から新しい商品を考えることが好きだったからでしょうね。
だからモノマネとは無関係ですが、できればいつかは商品開発をしてみたい。
僕、ガジェットが好きで今使っている腕時計もイヤホン付きで、スマホやタブレットにつないで話ができたり、音楽が聴けたりする。多機能商品が好きなんですよ。
例えば、リュックならたくさん入るけど、肩の負担が少ないとか、背中に付いているポケットが取り外せて小さなカバンになるとかいろんな機能付きを通販サイトで、常に探しているんです。でも、なかなか見つからない。
「このリュックにカートがついてたらいいのに」「小さくなって飛行機の手荷物入れに入れられるようになればいい」と自分の欲しい機能をいつも考えちゃう。
「だったら自分で開発すればいいんじゃないか」と最近思うようになりました。アイデアを考えたり妄想するのが好きなので、カバン類、財布、小物の高機能商品の開発に携わってみたいんです。
芸人になる前の会社員時代は開発まではいかないですが、ノベルティーを作っていました。「ダウンタウンDX」の視聴者プレゼントを作ったことがあり、楽しかったですし。
まだ、ガラケーの時代にカレンダーアプリがなかったから「携帯の裏に付箋みたいに貼るカレンダーがあればいいのになあ」と考え、開発商品を展示する大きなイベントの際に発注して、展示されたことはありましたよ。
アイデア商品といえばノベルティー作りもやってみたい。タレントや芸人がカレンダーとか、うちわとか作るじゃないですか。芸人の面白いノベルティーを受注する会社を起こすのも面白いかなと思ってます(笑)。
企画してモノを作るのが大好きで、僕はモノマネも自分が面白いと思ったことをマネて商品化している感じでやっていますので。
もうひとつ言うと、商品ノベルティーではなく広告ノベルティーも作ってみたい。わかりやすいモノだと、街で配られているティッシュでしょうけど、自分では買わないかもしれないけど、あると便利なモノを使って広告入りノベルティーにできたらいいなあと。
「誰か作ってくれないかなあ」ではなくて「自分で作ればいいじゃん」という発想で頑張ります。僕の作ったノベルティーがはやって、そのお金で番組を作れたら最高ですね。
(聞き手=松野大介)
▽本名・堀裕人(ほり・ひろひと) 1977年2月生まれ、千葉県出身。大学卒業後サラリーマン生活を経て99年からモノマネ芸人として活動。「ホリプレゼンツ 求人任三郎がいく!」(チバテレ)やモノマネ番組に出演中。