落語家の立川志らく(61)が、3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄巨人終身名誉監督への追悼メッセージで、長嶋さんを呼び捨てにしたことについて、《公の場でスターを呼び捨てにしてもいいのは、存命中の話》などの投稿コメントが相次ぎ、時ならぬ敬称論争となっている。
それらに対し志らくは、《毎度言っていますが、スターは敬称略が礼儀。
「公人や芸能人を報道する際、一様に敬称を省略して扱うのが恒例となったのは、特定の個人だけに敬意を払っているという印象を与えず、公平に扱おうというスタンスからでした。もっとも、敬称略といっても呼び捨てと言うのとはニュアンスが違いますし、芸能人や著名なプロスポーツ選手の場合、親しみやすさや身近さを演出する効果もあり、お茶の間や子どもでも呼び捨てにする風潮になっていたのだと思います」
とは、大手新聞社出身のライター。
「敬称をつけないといって、敬意を払わないということは決してなく、逆に『さん』付けで呼ぶと、関係者や、あたかも面識があるかのような印象を与え、そっちのほうが失礼という風潮すらありました」と言った。
ところが、SNSの普及などによって、かつての常識が通用しにくくなっている。
■「フワちゃん・さん」なんて、敬称重ねまで登場する現代の風潮のおかしさ
「芸人が相方をさん付けにするのを好ましく感じられたり、スポーツ報道でも、たとえば大谷翔平選手を『大谷さん』と呼ぶのが普通になっています」と、ワイドショーのディレクター。
いずれも、その時代のスターへの呼び方が世論や常識を作り出していっているようだが、敬称ありきの現在の状況では、こんな事態も起きつつある。
「ガーシーこと元参院議員の東谷義和氏だったり、YouTuberの『Rちゃん』だったり、敬称をつけようにもつけにくい、つけることでかえってヘンになるケースが多々ありますね。『フワちゃん』について伝えるとき、無理やり敬称をつけて『フワちゃん・さん』なんて呼んだ話もあります」(同)
マスコミが伝え方で混乱も来たしているというのであれば、SNSも賛否両論かまびすしいのも頷けるか。昭和を代表する大スターは、そんな時代の変化をも世間に気付かせてくれる存在ということなのかもしれない。
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