6月22日に投開票された東京都議選で、元テレビ朝日アナウンサーで都民ファーストの会の龍円愛梨氏(48)が渋谷区選挙区(定数2)で3選を果たした。政治家がマスコミやタレントのセカンドキャリアとなって久しいが、都政関係者によると龍円氏は「都議として優秀」らしい。

同じ転身組でも、批判がかまびすしい自民党の今井絵理子参院議員(41)らとどこが違うのか。


「まず、龍円さんのバックボーンはダウン症のある小6男児を育てるシングルマザーということです。8年の実績では、地方自治体の首長や都議、また市民団体などの取り組みを表彰する『マニフェスト大賞』で2019年にグランプリを受賞したことを最大の売りにしています。『インクルーシブ公園』や『都営地下鉄・子育て応援スペース』など公約進捗率95%とPRしています」(前出の都政関係者)


 政治家に必要な行動力、実行力が備わっているようだが、一方では「目立った政治活動はしておらず、議会での質問もインクルーシブ政策くらい」という指摘も。


「区議選、参院選、衆院選など、他人の選挙は手伝わない。ポスター貼りのようなスタッフ業務も全くしないが、ウグイスや集会の司会、つまり目立つことはやるという主義。また、有権者の陳情もインクルーシブ以外は受けない。事務所もバーチャルオフィスで秘書も何も置かない。連絡も受けない。電話も出ない。車も使わない。活動しないから経費もかからない。

それでも小池代表と元アナの知名度で選挙になると強い。それゆえ都政では『職業都議会議員』としては悪くないとなるのでしょう」(マスコミ関係者)


■それでも3選を果たした理由


 ある芸能プロ社長はこう言う。


「同じ芸能の仕事でも、プロダクションに守られるタレントと違い、局のアナウンサーは会社員で守られないばかりか、社内外から言われなき誹謗中傷にさらされたり、嫉妬を買いやすい。それで仕事で足元をすくわれたりもする。龍円さんも報道などでそうした苦い経験がありますが、前向きに生かし、それが気遣いや処世術につながっているようにみえます」


 都議の議員報酬は月額103万6000円。2017年4月から一律20%減額されたものの、82万8800円あり、年2回の期末手当(ボーナス)を含めると年収約1400万円となる。


「さらに政務活動費として月額50万円、年間600万円が別途支給されるし、会議や出張の際は『応招旅費』として実費支給される。3選の龍円氏は今後4年間で計5600万円の報酬+手当てが入ります」(前出のマスコミ関係者)


 待遇もフトコロ事情も、局アナと比べて、悪くないのではないか。政治家の「センセイ」を目指し、続けたくなるのも分かるか。


  ◇  ◇  ◇


 都議会選については、関連記事【もっと読む】「再生の道」都議選議席ゼロで存亡危機も…石丸伸二氏は“構文”大展開、減らず口で勝利宣言のナゾなども必読だ。


編集部おすすめ