「羽振りがよく、ブランド品を身につけているのが羨ましくてやってしまった」
無断で作った合鍵で上司の女性宅に侵入し、3300万円相当の腕時計や貴金属を盗んだとして、警視庁蒲田署は26日までに会社員の田中敦士容疑者(30)を窃盗と住居侵入の疑いで逮捕した。動機をこう話しているという。
田中容疑者は今月3日、勤務する会社の40代の女性上司が住む大田区のマンションに合鍵を使って侵入。ロレックスやカルティエ、ショパールなど500万円の腕時計や6カラットのダイヤモンドの指輪やブレスレットなど計30点を盗んだ。翌日、女性は貴金属がなくなっていることに気付き、室内に設置していた家庭用の防犯カメラの映像を確認。3日午前11時ごろから1時間半、映像が記録されていなかった。
「田中は女性のすぐ近くの席に座って仕事をしていて、手を伸ばせば荷物を取れるぐらいの距離だった。女性の上着ポケットに入っていた自宅マンションの鍵を抜き取り、会社の近くの業者に複製させ、元に戻していた。女性は実家が金持ちで、盗まれたものの中には父親に買ってもらったものもあったようです」(捜査事情通)
田中容疑者の犯行は今回が初めてではなく、今年2月にも鍵を複製。3月中旬、女性宅に侵入して腕時計を盗んでいた。女性は警察に被害を訴え、鍵を交換した。
「女性は1人暮らしでマンションにはオートロックが付いていた。最初の事件後、女性が職場で<泥棒に入られたので鍵を替えたの>と話しているのを聞き、合鍵を作り直した。女性は普段から裕福な家庭で育った話を田中にしていて、犯行当日、田中が休暇を取っていたことから、怪しいということになった。
調べに対し、「高級時計をつけているのを職場でよく見かけ、貴金属類をたくさん持っているのを知っていたので狙った。今後の生活を考えればお金がいくらあっても困らないと思った」と供述しているという。
いつどこで誰に狙われているか分からない。