今年6月、突如として音楽シーンに登場したインディーズのロックバンド「ザ・ベルベット・サンダウン」(写真)は、音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」で人気が爆発。7月8日時点で月間リスナーがついに100万人を突破した。


 ヒット曲の「Dust on the Wind」は、1970年代の米ウエストコーストサウンドを連想させるフォークロックで、バンドのメンバーのルックスも当時のイーグルスのようだが……SNSに投稿されたPR映像などにどこか不自然な点があったり、メンバーの過去が全くたどれないことなどから、「AI生成ではないか」という疑惑が浮上した。


 バンド側は「われわれはカリフォルニアのガレージバンドだ」と主張、いったんは疑惑を否定したが、7月6日、スポティファイのバンドのバイオを更新し、公式にAI生成プロジェクトであることを認める声明を発表した。


 それによると、バンドは「人間のクリエーティブな指導のもと、作曲、ボーカル、ビジュアルをAIが支援した合成音楽プロジェクト」だという。


 そしてバンドは「トリックではなく、鏡だ。AI時代におけるオーサーシップ(著作者としての権利)、アイデンティティー、音楽の未来の境界に挑戦する継続的な芸術的挑発」などと主張し、「人間でもなく、機械でもない。ザ・ベルベット・サンダウンは、その中間に存在します」としている。


 バンドはデビュー数週間で2枚のアルバムを発表。7月14日には3枚目がリリースされる予定だ。ついにAI生成のバンドが大人気になる時代が来た。これは音楽の革命か、それとも……。


  ◇  ◇  ◇


 オーストラリアにはAIの人気DJがいたり……下の【関連記事】にはもっともっと仰天ニュースがてんこ盛りだ。


編集部おすすめ