【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
5日のフジテレビ系土曜プレミアム「国民的アニメの祭典 サザエまる子鬼滅の刃! 激レアシーン2HSP」を見た。
MCは麒麟・川島と橋本環奈、チョコレートプラネット松尾&長田の4人。
たとえば、「サザエさん」は生まれた時から同じ髪形だったとか、波平がカツラをかぶる回があったなど、それなりに面白いが、「激レア」というほどのものではない。この手の話題が何度もコスられ、見たことがあるシーンもいくつかあった。
さらに、「昭和100年特別企画!昭和平成初期世代が『懐かしい!』名曲アニメランキングBEST50」なる企画も。
これもまあ手垢つきまくりで、どうランキングが決まったのか詳細は謎。「Drスランプ アラレちゃん」はフジで放送していたアニメなのに映像はなく、レコードジャケットを映すだけと寂しい。
そもそも昭和&平成世代をまぜこぜにするというのも乱暴だし、それを懐かしさでごまかしきれると思っているところがペケ。やりたかったのは18日に公開される劇場版「『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の番宣らしく、割かれた時間が異常に長かった。
また、「鬼滅の刃」は子供にも人気ということだが、血しぶきや人体損壊など残虐なシーンもあり、大人でも気分が悪くなる。それを子供に見せて大丈夫なのか。PG12(12歳未満は保護者の助言・指導が必要)で、保護者同伴でなら観賞してもいい映画を、テレビで普通に見られるから驚く。
そういえば、12日の土曜プレミアムでは、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」がノーカット放送されるが、これも子供が見たらトラウマになるのでは、と心配だ。
ここにきてアニメ推しがすごいが、辞めた港浩一社長が社長になったとたんに始まった「オールナイトフジコ」のことを思い出した。アニメ畑の清水賢治社長になったら、今度はアニメですかという感じ。
■いっそ検証番組もアニメでやれば
もっとも、日本のアニメは世界中から注目されていることだし、女子大生とバカ騒ぎする番組よりも、間違いなく将来性はあるだろうが……。いっそのこと、フジはアニメに特化したテレビ局にすればいいのに。それなら女子アナを私物化する役員も出ないだろうし。
6日のフジの検証番組「検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~」の中で一番印象に残ったのは、大多亮元専務の「女子アナは上質なキャバ嬢」という発言と、女性社員に囲まれて、ニッコニコの港社長の写真くらいのものだ。
いっそ、検証番組もアニメでやれば、視聴者の支持を得られるのでは。アニメなら日枝久氏出演もOKだろう。
(桧山珠美/コラムニスト)