「撮り鉄」オタク仲間は東京からキセル乗車で大阪・関西万博の会場を訪れ、“大人”ではなく「中人」料金で万博に不正入場し、公式キャラクター「ミャクミャク」の関連グッズを大量に万引していた。
転売目的で万博会場内のオフィシャルストアでぬいぐるみや扇子などを万引したとして、大阪府警捜査3課は13日、現場から逃走していたいずれも東京都の大学生、名取利恭(21)と無職の荒牧賢人(21)両容疑者を窃盗容疑で逮捕した。
6人は6月26日昼ごろ人気限定グッズの「黒ミャクミャク」のマスコットや「ハローキティ」とのコラボ商品、キーホルダー、ワッペンなどを手提げかばんいっぱいに詰め込み、近くのロッカーに預けると再び別の店舗で万引を繰り返していた。
2人が万引している様子を客が目撃。店員に知らせ、所持品を確認したところ、未会計の商品が見つかったため、110番した。6人は子ども服「ファミリア」とのコラボ商品が再販される当日を狙い、日帰りで大阪に遠征していた。
調べに対し、「ネットで売る目的で会場でしか入手できない限定グッズを狙った」と供述している。
■東京から入場券150円で現地に
黒ミャクミャクのマスコットは購入数が制限されるほど人気で、フリマアプリでは定価の数倍で出品されていた。
男らは当日朝、東京駅でバラバラに入場券(150円)を購入して改札を通過し、新幹線に乗り込んだ。トイレに隠れるなどして検札を逃れ、新神戸駅で下車。そのまま在来線を乗り継ぎ、現地まですべて無賃乗車だった。
「え、そんなんで改札を突破できるのといった方法で駅の改札を通過していた。本人たちは『新大阪駅は警備が厳しいから新神戸駅で降りた。
6人は万博会場でも大人の正規料金を払わず、通常4200円の「中人料金」(12~17歳)で入場していた。
「入場ゲートでも年齢確認はなかったようで、スマホでQRコードをかざして入場。本人たちは過去に何度か万引したことをほのめかしていて、問題なく入れることは確認済みだったようです。これまでバレずにうまいこといったため、調子に乗っていたのかもしれない。手当たり次第に商品をかばんに突っ込んでいたため、かなり目立っていた。2店舗目で万引をしていた際に、店員に呼び止められた」(前出の捜査事情通)
万博会場では開幕以降、万引事件が相次いでいる。キセル乗車同様、撮り鉄オタクの間で「遠征万引の手引」が共有されているのかもしれない。