予約が困難な人気の超豪華寝台列車「トランスイート四季島」で、飲食など車内サービスを担当する男女従業員6人が数年にわたり、乗客に提供する高級ワインやシャンパンを繰り返し「盗み飲み」していた。
JR東日本の子会社で四季島の飲食提供や清掃を請け負う「JR東日本びゅうツーリズム&セールス」が13日、発表した。
同社によると、6人は2022年9月から24年ごろにかけて、業務終了後や夜間の休憩時間中などに車内で乗客向けの酒類を複数回、飲んでいた。
「四季島は1泊2日と3泊4日のコースがあり、基本的に週に2回運行しています。トレインクルーの勤務はシフト制で、6人全員が一緒に飲酒していたわけではなく、同じシフトになったクルーたちが、お互い時間が合った時に飲んでいました」(同社総務部担当者)
四季島は10両編成で乗車定員はわずか34人。6両17室ある客室はすべてスイートルームになっていて、料金は1泊2日のコースが1人あたり44万円から(2人1室)。3泊4日のコースは94万円から。各1室ずつある「四季島スイート」と「デラックススイート」にはヒノキ風呂が備え付けられ、湯船につかりながら車窓を流れる風景を堪能できる。旅行代金にはフルコース料理や飲み物代がすべて含まれている。
■3年前から試飲が常飲に
トレインクルーの業務内容は、乗客の車内への案内からダイニングやラウンジでの食事や飲料の提供、客室内の清掃、ベッドメーキング、荷物の積み下ろし、旅先のアテンドなど多岐にわたる。6人は車内で提供する高級ワインやシャンパンが酸化していないか、品質管理をする立場にあった。それが3年前から試飲目的ではなく、「常飲」するようになった。
「試飲にしては度を越えた飲酒量だったうえ、クルーが一緒になって試飲をする必要はありません。品質チェックの業務の範囲を超えた飲酒だったと判断しました」(前出の担当者)
トレインクルーの一人は会社の聞き取りに対し、「廃棄するものを飲んでいた」と説明しているというが、だからといって勝手に飲んでいいはずもなく、本来の「試飲目的」ではなかったことは明らか。最高のおもてなしの場の裏で、こんな品位を疑うような行為が横行していたとは、高い金を払った乗客たちはガッカリだろう。