「石破おろし」を仕掛けた連中には大誤算に違いない。世論は「石破辞めるな」が多数ということがハッキリしてきたからだ。
読売新聞が22~24日に実施した世論調査では、「辞任するべきだと思わない」が50%、「辞任するべきだと思う」は42%だった。
毎日新聞の調査(23、24日)でも「辞任する必要はない」43%、「辞任すべきだ」39%。
共同通信の調査(23、24日)も、「辞任は必要ない」が57.5%と、「辞任するべきだ」の40.0%を大きく上回っていた。
「石破辞めるな」の声が強いのは、石破おろしが「石破首相vsウラ金議員」という構図になっていることを、国民も分かっているからだ。
毎日新聞の調査で「辞任する必要はない」と答えた人の理由でもっとも多かったのは、「国民より権力争いを優先しているように見えるから」の31%だった。
また、自公が衆参両院で過半数を失った責任を問うた読売新聞の調査では、「石破首相の責任は大きい」50%に対し、「『政治とカネ』の問題を抱えた自民党議員の責任は大きい」が81%と圧倒的多数だった。多くの国民は「ウラ金集団」安倍派の跳梁跋扈にウンザリしているということだ。
麻生派の支持獲得は困難?
世論調査の結果に愕然としているとみられているのが、「ポスト石破」にヤル気満々となっていた高市早苗・前経済安保相だ。このままでは、総裁選の前倒しは実施されない可能性がある。
たとえ総裁選が実施されても、高市陣営の中心メンバーは、安倍派議員になるのは確実なだけに、国民の支持を失う恐れがある。政界関係者がこう言う。
「途中で派閥を抜け、裏金づくりとは無関係とはいえ、高市さんの印象は“安倍派”です。安倍派議員に担がれたら、同じ穴のムジナとみられるだけでしょう。しかも、9月10日から、5100万円もの裏金をつくっていた大野泰正・元参院議員の裁判もはじまる。裏金問題が再燃するのは必至です」
高市氏にとって痛いのは、頼みにしている麻生元首相から支援を受けられるかどうか、分からないことだ。「週刊新潮」によると、麻生氏は小渕優子・元経産相を担ぐ構想を持っているという。麻生派40人の支持を得られなければ、総裁選で勝利することも難しくなる。
「加えて、野党との関係です。衆参とも過半数を割った自公政権は、野党の協力を得ないと法案も予算も通らない。しかし、極右の高市さんには、野党も協力しづらいでしょう。プライドが高いのか、高市さんは頭も下げませんしね。総理になっても政権が行き詰まると分かれば、党内の支持も広がらないのではないか」(前出の政界関係者)
世論調査では、どの調査でも、自民党支持者ほど「石破首相は辞める必要はない」の割合が大きくなっている。安倍派に対する自民党支持者の嫌悪感は相当なものだ。
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