最終回まで残り3週間となったNHK朝ドラ「あんぱん」。ヒロインの「のぶ」を演じるのは今田美桜(28)だが、その演技力と存在感でたびたび話題になり、多くの視聴者を魅了したのは、のぶの妹・蘭子を演じる河合優実(24=写真)ともっぱらだ。
「昨年放送された阿部サダヲさん主演の連ドラ『不適切にもほどがある!』(TBS系)で、阿部さんの娘・純子を演じて一気に世間の注目を集めた河合さん。その流れのまま『あんぱん』に出演となったので、最初から《どんな演技を見せてくれるの?》と注目度は非常に高かった。結果、河合さんの演技は視聴者の期待を裏切らないどころか、軽々と超えた出来栄えだったと言っていい」(芸能プロダクション幹部)
「ふてほど」では昭和のヤンキー高校生の純子を。「あんぱん」では、初々しい10代から40代頃までの設定を演じている。蘭子は文章を書いて収入を得て自分の足で歩くという、当時としては時代の先端を行くキャリアウーマン。視聴者からは《向田邦子さんを彷彿とさせる》なんて声も多い。
「河合さんが出てくると、突然画面に湿り気が出るといいますか……空気がガラッと変わる。もしや『あんぱん』制作スタッフの皆さんは、河合さんが絵になるシーンを生み出すことにことさら命を懸けているのでは? そんなことを想像してしまうほど、河合さんの名シーンはいくつも生まれた。豪ちゃんと夜汽車、八木さんと傘の中……視聴者の心に強い印象を残しましたよね」と話すのはドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏だ。
河合といえば《山口百恵さんに似てる》というのは、もはや視聴者の間で共通の認識。本人も学生時代からそう言われ続けていたようで、「最初は謙遜してたんですけど、もう言われ過ぎて、文化祭とかでコピーしてました」と、8月19日放送の「バナナサンド」(TBS系)で告白。番組内では百恵さんの名曲「イミテイション・ゴールド」を歌い上げ、お茶の間を沸かせた。
「河合さんの蘭子を見ているうちに、《田中裕子さんに似ている!》とも思うように。お顔立ちは百恵さんでも、演技の間合いや表情、たたずまい、蠱惑的な美が田中さんの20代、30代の頃によく似ているんです。田中さんもほかの女優さんの誰とも似ていない唯一無二の存在感ですが、河合さんにもそれがある。河合さん主演で、映画『天城越え』をリメークなんていいんじゃないでしょうか」(前出の山下真夏氏)
「天城越え」は1983年に公開された松本清張氏原作の日本映画。娼婦のハナを演じた田中の妖しい美貌は公開当時大いに話題になったものだ。
「『ふてほど』の純子役ではちゃんと高校生に見える。『あんぱん』で40代になった蘭子なら、ちゃんと40代に見える。年齢不詳的なところがあるのも役者としては強み。しかし、同世代の女優は今後、共演に河合さんの名があるとちょっとやりにくいと感じてしまうかもしれませんね。話題性と実力では頭ひとつ抜けていますから。食われてしまうと心配してしまうかも」(エンタメ誌編集者)
蘭子を演じたことで、ネット上では《河合さんに向田邦子さんを演じてほしい》という声も続々だ。さて、蘭子の次に河合が演じるのは、どんな役柄か。
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