フジテレビの一連の性加害問題で、7月6日に放送されたフジテレビ問題検証特番「検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~」のVTR製作に携わっていた外部製作ディレクターのA氏(享年59)が9月上旬旅先で脳出血を起こし急死したことを「FRIDAY DIGITAL」が報じ、過重労働ではないかと話題になっている。
A氏はフジテレビの情報番組やニュース番組に携わってきた外部ディレクターで、「Live News イット!」などを担当していた。
FRIDAYの質問状に対し、フジテレビは「ご指摘の検証番組につきまして、当該スタッフが番組の取材や制作に関与されていた事実はない」とし、「詳細についてはプライバシーに関わるとして回答を差し控える」姿勢を貫いている。
元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏がこう言う。
「外部スタッフを働く仲間として見ていない回答。長年フジテレビの報道を下支えしてきたスタッフですから、これもまた検証すべき事案でしょう。“検証番組には関わっていない”だけで済ませようとするところにフジテレビの変わらない隠ぺい体質が透けて見えます」
テレビ局は働き方改革のおかげで、仕事のしわ寄せは外部スタッフに。局員が定時で帰る分「後はよろしく」の一言で丸投げ。
「検証番組に出ているのが若い局員ばかりでしたが、局員は異動でコロコロ変わる中、現場はベテランの外部スタッフが支えています。そんなブラック労働ですから若手も入らず、A氏のようなベテラン外部ディレクターが番組制作から新人局員の育成まで請け負っているのが今のテレビ業界。検証番組にA氏が関わっていないとのことですが、局員だけで制作したのでしょうか。検証番組は時間もタイトで、方々からの指示が入り修正を繰り返したことが容易に想像され、終わりの見えない相当ハードな編集作業だったと思われます。フジテレビには真摯な反省と外部スタッフを思いやって欲しい」(鎮目氏)
プロレスラーの木村花(享年22)の「テラスハウス」やらせ事件についても、いまだフジテレビから遺族に納得のいく回答は得られぬまま。
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